古き良き時代に

2023年1月
1922年創刊の「週間朝日」が今年の5月で休刊するというニュースが流れた。
100年以上の歴史がある有名大衆誌でも、時代の流れにはやはり逆らえなかったのだろう。

昔は身近にあった関西誌も、次々と姿を消しています。

関西の出版社(編集部)といえば、
・KADOKAWA(関西ウォーカー)
・京阪神エルマガジン社(Meets・SAVVY)
・交通タイムス社(カジカジ・カジカジH)
・リーフ・パブリケーションズ(Leaf)
・クリエテ関西(あまから手帳)

程度しか元々ないのですが、カジカジ・カジカジHは既に休刊(廃刊)、関西ウォーカーも月刊誌ではなく季刊誌へ(経費削減)。なんとか頑張っているのがMeets・SAVVY・Leaf・あまから手帳などの関西独自資本系だけになってしまいました。比較的ご飯系が生き残ってるね。

併せて街の書店(本屋さん)もどんどん消えているし、これだけ無料の情報が溢れてると、わざわざ雑誌を買ってまで読む人がいなくなるのは当然の事であり、コンビニの雑誌コーナーにも、最近は殆ど人がいないと感じるのは僕だけでしょうか? もうマンガも読まなくなったからかな?

雑誌って販売収益(小さい)と広告収益(大きい)だけで成り立っていますが、雑誌が売れないと=広告を出しても効果がない=広告を出さない=収益激減=負のスパイラルへ突入となっていきます。

僕もそんな業界に10年前までいたのですが、あれからもう10年か・・光陰矢の如しだな。僕の社会人人生のうち、15年は出版業界で10年が今の業界なので、まだ出版社での経験の方が長いけど、あの古き良き時代は二度と戻っては来ない。

コロナ禍で、Lマガ編集部かMeets編集部が、こんなページを作っていて当時の現役編集者4名が登場していた。思わず読んでしまったが、彼ら彼女らは古き良き時代の最後の生き残りだ。版元を跨るいい企画だと思うよ。

やっぱり雑誌が好き。

元同僚や元部下、他出版社の知り合いなど、もうその殆どが出版社を去り(または解散や解雇)、フリーのライターやエディター、店主などをしています。編集部上がりの経験でできる事って、大体はまた雑誌関連になるし、その雑誌自体がもう消えてっからさ。寂しさを感じずにはいれないけど、これも見えていた通りの未来の姿。

世間ではスタートアップやベンチャーなど、活きのいい若い世代がどんどん台頭し、様々なビジネスを展開しているけど、何故か出版社は新しい事業への転換ができないんだよね。そして、最後には突然の解散や倒産。どっかの出版業界重鎮が「出版は文化だ!」とか言うてたけど、文化じゃ飯は食えないよ。

10年前に当時の我が社を含めて、この業界を革新することは僕には不可能と見切りをつけ、出版業界を去ったのは今思えば正解だったんだろう。それから相当苦労はして失ったものもあるけど、その分得るものは大きかった。

そうではあるけど、僕の出版社時代はとても楽しかった。ほんと普通ではできない色んな経験ができて、沢山勉強させてもらったし、いっぱい稼いでたから、その分いっぱい使わさせてもらったなぁ。言えないような馬鹿な事も沢山してた笑 色んな事があったけど、今となっては楽しい良い思い出ばかりだ。

そして10年が経った今でも、知っている雑誌の休刊を耳にすると、あの華やかだった時代の記憶と共に、一抹の寂しさが胸を流れていきます。もう戻ることのできない、古き良き時代に。

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やまなび