少額でも一応投資家の端くれである僕は、色んな投資詐欺を 観察 してきました。これまで沢山見ているので、今では何であんな劣悪な投資スキームに引っかかるのか不思議でならないのですが、そういえば僕も新卒の時に、大学の同期Aからガチの投資詐欺案件に誘われた事を思い出しました。
◯組織名 : クリムゾンアート(・・だったと思う)
◯スキーム : 会員が版画を買って、それを病院などにリースする
◯1口 : 1画80万~100万円前後
ここのセールストークは、版画は枚数が決まっているので価値が落ちない。それを病院や老人施設へ月替りでリースに出し、そのリース料が毎月手に入る。原価償却後はリース料の全額が利益となり、また解約時には版画を売る事ができる。
というもので、一見するとなかなか良さそうな内容で、且つ解約時にも版画代も手に入る2度おいしそうなビジネスモデルに見えた。Aはもう完全にハマってて(2口買ってた)、運営幹部は皆いい人だから、是非1度会ってほしいという勧誘を受けた。そして「絶対に大丈夫」とオウムのように繰り返してた。
Aとはゼミが同じクラスだったくらいで特に親しくもなかったし、そもそも友達のグループが違った。それが突然、友達伝いで僕の携帯番号を調べて電話してきて、鬼の勧誘してくるものだから怪しさ満開だ笑 しかし当時は僕も甘ちゃんだったので、あまりのしつこさに根負けし、会社の先輩にわざわざ付いてきてもらって行ったら、そこは勧誘セミナー会場だった笑 なんか最初から騙されてるぞ笑 確か平野区の貸し会議室で開催されており、10数名程度の参加者が来ていた。こういうの今でもよくあるよねぇ。。。
セミナー内容は明確に覚えていないが、こちらからの質問
・そんなに儲かるなら全部自己資金で何故やらないのか?
・投資資金集めをするための免許はあるのか?
・版画の現物 または リース先との契約書を見せて欲しい
などには、ありきたりな定番トークで返されたと思う。
まぁ当時から世の中を斜めに見る癖があった僕は、こんなのに手を出すこともなく、セミナーに参加する事で、最低限Aへの義理立て(特に義理はないけどね)はしたと判断し、その後のAからのしつこい購入催促も確実に断った。かなりウザかったけど。
邪推ではあるがAの性格から判断すると、誰かに版画を買わせればバックマージンが入るのだと思う。ネットワークビジネス(MLM)と同じような仕組みだけど、僕が思うに恐らく組織として版画は買ってないし、ましてや病院などにリースもしていないだろうから極めて悪質なポンジ・スキームだ。当時はその怪しさと何か納得できなかったので断っただけだけど、今ならスキームの全体像が透けて見える。
根本的に、必ず儲かるのであれば銀行から融資を受けて全額自己資金で展開したほうが絶対に儲かる。そして版画の購入履歴、在庫、リース先との契約書、リース料金の振込記録など、本来セミナーで提示すべきものが一切なかった。あったのは机上の空論だけだ。
Aにはその後1年くらいしてから、僕の方から連絡を入れてみた。その後どうよと聞きてみると、面白いくらい動揺してて、最近突然・・幹部と連絡が取れなくなって非常に不味い状況だと。ええ人達じゃなかったんか? リース料は? 版画は? とか聞きましたが、まぁもう飛んでるよね。僕以外にも相当勧誘していただろうから、Aの勧誘で会員になった人からの突き上げもあるだろうし、幹部は皆消えて連絡付く訳ないし、お互い自己責任とはいえ相当厳しい立場だろうね。
この事件は特にニュースになる事もなかったけど、Aとはその後二度と連絡を取る事はなかった。破綻したのをキッチリ確認してから携帯の電話帳から消去したからだ。またそれ以来、Aの事は同期達の噂でも聞くことは無くなった。
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最近では去年から今年にかけて、加速度的に怪しさを増していた◯クシアがやっと破綻しました。当たり前ですが仕組み上、ポンジ・スキームは資金集めが滞ると途端に破綻します。しかも集団訴訟はできても詐欺罪の立証は難しい、また立証できたとしても資金は返ってこない。そして、このようなポンジ・スキームは世の中にまだまだ沢山転がっているんだよね。
投資は自己責任・余剰資金で行う事が大前提です。
あと知り合いを誘わせるミッションがあるのは、詐欺かMLMだ笑