山梨県南アルプス市/2023年8月19日/晴れ のち 曇り のち 雷雨
技術:中級 体力:上級(9時間)
今遠征最大の目的は、富士山に次ぐ日本第二位の高峰を誇る北岳・3193mを制覇する事です。嫁さんの足の怪我はまだ完治しておらず、直前まで遠征を中止するか迷っていたのですが、話し合いの結果一番軽いルートであれば可能であると判断しました。
ヤマレコNO.5809220 これであれば距離は11km、若干の周回コースでもあるので北岳を満喫できると思います。ただ高山なので距離は短くても、高低差は1700m以上もあり、登山時間も7~8時間は掛かりそうです。気温も約1500mから3200mなので、この時期でもかなり寒くなるので防寒対策が必要でしょう。
・・・と色々想定していたのですが実際に登ってみると、いい意味でも悪い意味でも想定外の事が沢山あり、僕ら夫婦にとっては過去一番手強い山となりました。3000m級はなかなかの強さです。
昨日の宿、岩園館のスグ上が芦安観光第2駐車場となり、ここから先はマイカーは規制され、バスまたは乗り合いタクシーでしか登山口まで行けません。乗り合いタクシーの第一便は4時には予約で埋まったそうで、始発5:15のバスに乗れただけでもラッキーでした。
バスは登山口の広河原まで約1時間掛けて狭い坂道を登っていくのですが、道の斜面側は断崖絶壁、山側は岩肌のなか、かなりのスピードで急旋回しながら登っていくバスが今日イチ怖かった😅 多分勢いを付けないと失速するのでしょうけど、ミスったら転落します。その緊張で全然気が休まらんかったな。
広河原に着くと、そこはもう絶景の南アルプスの麓。天気も晴れてて、北岳の山頂方面も見渡せるし、川の水まで下界とは違うように見えました。この天気が続くと最高なんだけどね。
早速登りが始まりますが、途中の白根御池小屋まで3時間という看板があり、レコとタイムが相当違うので不安になる。後で気付いたのですが、このレコはトレランの方だったと思います。因みに白根御池小屋から先が本格的な登りになります😇
8:00に白根御池小屋に到着。1時間40分はかかったけど、看板の3時間はなんだったのだ? 北岳はこの後もペースが色々と乱れて、全然想定通りには行きませんでした。
時刻は8:08。ここから肩の小屋まで3時間20分、北岳山頂まで4時間、標高差は1000mです。ここからが僕は本当に辛かった・・・嫁さんは鍛えてないからやと言うのですが、筋肉疲労でもないのですが、息が上がって足が前に出ないんですよね。酸素不足なのか?
嫁さんはスタミナの塊なので無問題ですが、僕は何でかわからんけど、むちゃキツい。そして森林限界を越えたあたりから、天気が傾いてきました。アルプス登山でスカッと晴れる事はなかなか難しいものです。
到着10:10という事は、白根御池小屋を出発したのが8:08なので約2時間。看板には3時間20分と書いてあったので、全然早いやないか! 今回、嫁さんからも遅い!遅い!言われたけど、高山帯での活動なので、嫁さんが元気過ぎるだけ違うかな??
まぁ、山頂稜線に入ってからは傾斜も緩やかになったので身体も楽になり、大きく息をすることで酸素の摂取量を増やすようにしました。高山病とかになった事はないのですが、既に3000m(酸素は地上の約70%)なので少し注意しといた方がいいでしょう。しかし、全然寒くはない。
ポカリを600円で購入。下界からするとここはドバイか?って感じですが、その価値はあります。もう僕は腹減って山頂まで保たないので、昨日の旅館が用意してくれた、お弁当2つの1/4だけ食べてから山頂へと向かいます。
登山開始6:21、山頂着11:00なので、登り4時間40分。色んな看板やレコと全く同調しないので、よくわからんけど着きました。残念ながら雲の中なので、爽快な景色は見れませんでしたが、日本第二位の高峰を踏破しました!!!!!
写真を撮るのさえ忘れたお弁当の残り1/4を食べ、ミネラルを欲する沢山の羽虫を後に下山を開始します。あのパンパンのお弁当2つは多すぎたので、結局半分は食べずに明日の朝ご飯行きです。
ここ辺りが今日一番美しい山容でした。晴れていれば、こんな絶景が360℃広がっていたと思います。下りに入り、僕も何故か体力が回復してきたので、下山はかなり長い割には楽でした。
登山道も天気も変化に富んでおり、今度は雨が振り始めました。一応、ワークマンで買ったBAG in レインジャケットを2名分持ってきていたので、早速装備します。これバックごと被れるので便利なんですよね。
沢の源流地点からどんどん下っていくと、水の流れが合わさって川になっていきます。水が豊富なので様々な花も咲いていて、ここもいい場所ですが、次は雷が鳴り出しました。嫁さんの最も苦手なものの一つが雷であり、ここからカミナリパワー?で猛ダッシュして行きました笑
登山開始より約7時間で、白根御池小屋まで戻ってきました。山コーラを飲みながら、雷が過ぎるのを少し待ちます。小屋から広河原までまだ約2時間、そろそろ脹脛や膝にダメージが蓄積されてきており、ここからの下りは登り以上に長く感じる事になります。
15:25広河原着 約9時間の山業となり、間違いなくTOP3に入る疲労感ですが、その分達成感もありました。広河原では乗り合いタクシーが待機してくれていたので、それに乗って15:50頃出発し芦安観光駐車場へ16:45到着。バス・タクシーの移動を含めると約11時間の行程となりました。
では、本日の宿 石和温泉 ホテル石庭へ向かいます。
少し古いですが、予想を超える重厚なホテルでした。お部屋も広く快適でしたが、温泉だけは物足りないかな。24時で男女入れ替え制ですが、男湯は内湯大1・3畳ほどの木製露天1のみ、女湯は内湯中のみ。源掛け流しですが、天然温泉感はいまひとつ。それでも計4回入りましたけど笑
お食事には瓶ビールを注文し、相当消費したカロリーを充分に補給。名物のほうとう鍋も初めて食べれたし、ここもお食事には大満足です。